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X-Men: First Class X-MEN ファースト・ジェネレーション

アメリカ映画 (2011)

ローレンス・ベルチャー(Laurence Belcher)が、チャールズ・エグゼビア教授の少年時代、ビル・ミルナー(Bill Milner)がマグニートーことエリック・レーンシャーの少年時代を演じる超人気シリーズの原点を描いた作品。映画は、2人の主人公チャールズとエリックの1944年の姿を描く。チャールズはニューヨーク州のウエストチェスター郡にある中世の古城のような館に住む富豪の一人息子、エリックはナチス支配下のポーランドの強制収容所に連れて来られたユダヤ人の少年という、両極端の運命にある。チャールズについては、ミスティークことレイヴンとの出会いにより、他にも超能力者がいると知って喜ぶシーンが描かれる。エリックについては、収容所に入る際 両親と引き離されことで怒って両者を分ける鉄の門を超能力で曲げてしまったのをシュミット博士に見られたシーンと、その後、博士の部屋に連れてこられ、目の前で母親を射殺されて、激怒からさらなる強力なパワーが引き出されるシーンが描かれる。ここでも、両者の思いは両極端だ。チャールズは友愛、エリックは憎悪、これが後の2人のスタンスの違いとなっていくことをよく表している。

ローレンス・ベルチャーは典型的な美少年だが、出番は少ない。ビル・ミルナーは『リトル・ランボーズ』(2007)、『Is Anybody There?(誰かいる?)』(2008)、『Skellig(スケリグ)』(2009)などで知られた個性的な子役だ。2人とも1995年生まれと同年なのが信じられないくらいビル・ミルナーの方が大人びている。


あらすじ

ポーランドには、アウシュヴィッツ他、全部で11ヶ所の強制収容所が設けられたが1944年の段階では8ヶ所。その どこかは不明だが、ある雨の降る夜、エリックと両親の3人が、他のユダヤ人たちと共に収容所へ向かう鉄条網の通路を歩いている。フェンスの中では、多くのユダヤ人が囚人のように働かされている。収容所に近付くと、子供だけ別にされてしまう。両親を含めて大人達が入っていった後に閉められた頑丈な鉄の門。両親と引き離されたエリックは、両親に向かって絶叫する(1枚目の写真)。そして、その絶望感と怒りで、閉じられた門は捻じ曲げられ、開き始める。それを止めようとした兵士に銃で頭を殴られ、エリックは気絶する(2枚目の写真)。その様子を、偶然、シュミット博士が窓から見ていた。
  
  

一方、ニューヨークのウエストチェスター郡にある豪華なお城〔撮影はイングランドのレディングにあるエングフィールド城(Englefield House)〕。雨は降っていないが、時間は真夜中。異質な思考を感じて、泥棒が侵入したと分かり、バットを持って階段を降りて行くチャールズ。厨房に近付くと、電気がつき音も聞こえる。中に入ると、そこには母が。「母様、ここで何を…? 押し込み強盗かと思ったよ」。「脅かすつもりはなかったの。夜食をとりにきただけ。ベッドに戻りなさい」(1枚目の写真)。じっと母を見るチャールズ。「どうかしたの? さあ、ベッドに戻って」。それでも行かないので、「ホット・チョコレートを作ってあげるわ」と笑いかける。しかし、チャールズからは、思いもよらない言葉が。「君は誰だ? 母様に何をした?」。そこからは、会話ではなく、直接テレパシーで語りかける。「母様は、これまで一度たりとも、ここに来たことはない。僕にホット・チョコレートを作ったこともない。メイドに命じるだけだ」(2枚目の写真)。それを聞いて、本来の姿になるレイヴン。その変身能力を見て、嬉しそうに笑うチャールズ(3枚目の写真)。「怖くないの?」。「僕は、ずっと信じてきた。世界中で 僕一人のはずがないって。違ってるのは、僕一人じゃないって」。チャールズは、名乗って握手を求める。それに応えるレイヴン。「お腹が空いて、一人ぼっちなの? 何でも好きなものを食べていいよ。食べ物ならいっぱいあるから、盗まなくていい。実を言うと、もう二度と盗む必要はないんだ」。嬉しそうに笑うレイブン(4枚目の写真)。実際に、その後、2人は兄弟のように一緒に育つことになる。
  
  
  
  

再度、強制収容所。シュミット博士の研究室で。博士に呼ばれたエリックが机の前に立っている。博士はエリックに気さくに話しかけ、チョコレートを勧める。安心したエリックが、「ママに会わせて」と頼むと、博士は「遺伝子は新しい時代の扉を開く鍵だ。人類にとっての新しい未来… 進化だ」と言ってから、「私の話してることが分かるか?」と尋ねる。首を振るエリック。「簡単なことを やって欲しい。大きな鉄の門に比べれば小さなコインなど たやすいはずだ。違うか?」。エリックは何とかコインを動かそうとする(1枚目の写真)。しかし、怒りに任せて意識せずにやった行為と、自分で念じて行う行為とは、もしそれが初めただとしたら、全く違う。だから、コインは動かない。「やってみましたが、できません。不可能です」と謝るエリック。博士は、「ナチスが効果的な方法を編み出したことは、認めていいな」と他人事のように言うと、予め事態を予測していたように、エリックの母を部屋に入れる。そして、「これから、やることがある」と言うと、机から拳銃を取り出しながら、「これから3つ数える。その間に コインを動かせ。動かさないと、引き金を引く」と言い、拳銃を母に向ける(3枚目の写真)。カウントが始まると、エリックはパニックを起こし、意識を集中できない。「3」と同時に母は射殺される。倒れた母を見たエリックの怒りはすさまじく(4枚目の写真)、呼び鈴を潰し、博士の後ろにあった棚を潰し、母を連行してきた兵士のヘルメットを潰し、背後にあった実験室の中をメチャメチャにする(5枚目の写真)。怒りが収まり、母の死を悲しむエリックに寄り添う博士。「素晴らしいぞ、エリック。君の特別な才能が、怒りで解き放たれたんだ。君と私で、これから楽しいことをいっぱいしよう」(6枚目の写真)。シュミット博士は、この映画だけに登場する悪役No.1だが、エリックの持つ孤高の雰囲気は、こうした生い立ちによって醸成されたことがよく分かる。
  
  
  
  
  

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